こうして雪に囲まれお湯に浸かってると世間のごたごたなんてどうでもよくなるから不思議だ。
あまりの気持ちよさについ、ウトウトとしかけてしまう。
「ねぇ、かがみ」
「んあ?」
眠気で回らない頭で変な返答をしてしまったような気がするけど、気にしない気にしない。
「旅行、来て良かった?」
「えぇ。どうしたの?突然」
「んっとね、本当はかがみと二人っきりで来るつもりだったんだ」
「え?」
今、なんて言った?二人きりで来るつもりだった…?

みんなが寝静まる深夜。なんだか寝付けなくてゴロゴロと寝返りをうっては先ほど聞いた言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡ってた。
聞き返そうとしたけど、あれからすぐに二人が合流してしまって聞けずじまいだった。
お風呂の後はご飯を食べて少しのんびりしたあと、みんなで卓球して温泉入ってこなたが持ってきたゲームで少し遊んで…。
楽しかったけど、二人っきりで話せるチャンスはなかったから聞けずじまいになってしまったのよね。
明日聞けばいいかぁ。そうは思うものの、言葉の意味が気になりすぎて眠れない。
早く寝なくてはと思えば思うほど、眠気が遠ざかっていくようだった。

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